家庭用契約では収益が減ってしまう?!高圧契約のススメ!
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システム開発部の前野です。
マイニングの収益の仕組みとは?
先日はマイニングマシンで使用する電源についてフォーカスしました。お楽しみいただけましたでしょうか?
さて、マイニングでは電力を大量に消費し、得たコインの売却から電力を差し引いた差額が利益となります。
つまり利益は電気料金によって大きく左右されると言っても過言ではありません。
そんな電気についてシビアなマイニングですが、家庭向けと法人向けのサービスについて見て見ましょう。
家庭向け電気の仕組み
上は我が家の電気代の推移です。カテエネという中電が提供するサービスを利用しております。
マイニング用ではないのですが、自宅では常にLinuxマシンが3台動いており、
冬場は暖房にエアコンが長時間稼働し、子供がChromecastでYoutubeやNetflixをよくみるので、他の家庭と比べると、ちょっと高めかもしれません。
さて、電気代の明細を見てみると、
電気代=基本料金(固定)+電力量料金(従量)+燃料調整費+再エネ発電促進賦課金となりますが、
もっと分かりやすくするため、単純にしてみましょう。
基本料金 契約電流 10Aあたり 280.80円
電力量料金 1kWhにつき 27.97円
法人向け電気の仕組み
こちらも同じく電気代=基本料金(固定)+電力量料金(従量)+燃料調整費+再エネ発電促進賦課金ですが、
基本料金が家庭用よりも高く設定されている代わり、電気料金は非常に安くなっています。
基本料金 ひと月1kWにつき 1,895.66円
昼間時間 1kWhにつき 15.38円
夜間時間 1kWhにつき 13.41円
マイニングマシン1ヶ月分の電気料金は?
さて、マイニングマシンにフォーカスするため、
1KWのマイニングマシンを24時間、1ヶ月使った場合の電気代を見て見ましょう。
(消費電力)1日 x 24時間 x 30日 = 720kWh
(家庭向け電気料金) 280.80円 + 720kWh x 27.97円 = 20419.2円
(法人向け電気料金) 1895.66円 + 240kWh x 15.38円 + 480kWh x 13.41円 = 12023.66円
なんと同じ消費電力でも法人向け契約の場合は4割も安い計算となりました・・・!
高圧契約とは?
法人向けプランではこんなに安いのか?!とびっくりしたかもしれません。
・・・・が、実はこのプラン、高圧契約と書かれており、導入は容易ではありません。
まずは低圧と高圧とは?というところから入りますが、
低圧とは家庭向けに提供されている100V/200Vで電気が供給されています。
家のブレーカーを見てみると60Aと書かれているのを見たことがあるかと思いますが、これはマイニングマシンが5台動けば御の字と言えるほど、大量の電気を消費するのには家庭では向いていません。
それに対し高圧は6000Vで受電し、300kWなど大量の電力利用に向いています。
パソコンは6000Vという電圧では動作しませんので変圧器が必要となりますが、
変圧器とは言ってもコンセントに指して使うのではなく、キュービクルと呼ばれる大型の変圧器が必要となります。
準備期間
実際に高圧で契約しキュービクル導入にかかった時間を出してみると、
やはり手配から受電開始までは2ヶ月ほどかかりました。
導入を検討するのに1ヶ月前から準備すると、
3ヶ月前には既に動かす場所が用意され、2ヶ月前に業者へ発注、
受電までの手配を行う必要があるかと思います。
実際の流れ
仕様策定&電気工事の依頼(2ヶ月前)
建屋の電気工事を依頼します。このタイミングで同時に中電にこの時期にここで電気を使いたいという申請を出します。
受電工事の予約(1ヶ月前)
受電開始から1ヶ月前には工事日を調整します。
建屋内の電気工事&キュービクルの設置工事(3週間前)
キュービクルを実際に設置し、建屋内の電気工事を行います。このタイミングで電線が繋がっていない電柱を立て、電柱を軸に双方の責任分岐点とします。
電柱の接続(1週間前)
電柱を経由してキュービクルと電線が繋がります。
受電試験&受電開始(当日)
ようやく高圧で電気を使う日が来ました。受電する前に電気工事業者と保守点検業者と中電の3社で仕様のチェックし、トラブルがないかどうかの確認を経て、受電を開始します。
低圧契約の解除&メーカーと電線の撤去(1週間後)
高圧と低圧は併用ができませんので低圧の契約は強制的に解除されます。特に立会いは不要でした。
良い工事業者に当たればどれだけのコンセントが必要なのか、どれくらいの消費電力を必要とするのかを伝えれば、
その情報を元に必要なキュービクルのサイズなどを導き出してくれますが、
情報を収集しつつ、双方で図を交えながら情報交換を必要に応じて行う必要はあるかと思います。
電気工事から、その後の保守点検まで必要となりかなり大掛かりとなりますし、
機材の費用だけでなく、人もそれなりに動きますので、数百万円単位のお金を必要とします。
自身でも複数の業者に当たり、金額の妥当性を検討すると良いでしょう。
収益性の高さから自前でマイニングをするのが一種のブームになっていますが、
利益は出るけど電気がめちゃくちゃかかる・・・!と思う前に他に良い選択肢はないかどうか検討すると良いでしょう。
最近ではマイニング向けの電気料金プランなども発表されていますので、常に情報収集が大事ですね。
次はマイニング専用のOSこと「EthOS」を紹介したいと思います。